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2017年10月23日

不動産査定の仕方!査定時に見られる箇所はココ!

生涯で最も高額な所有物は不動産だといわれています。たしかに、不動産の売却には数千万円のお金が動くことがあります。電化製品や家具を買い換えるように、不動産を買い換えるということは、そう簡単にできることではありません。では、不動産の査定はどのようにして行われるのでしょうか。査定時に見られるポイントを紹介します。

評価は「路線価」と「倍率」に分けられる

土地の評価には「路線価方式」と「倍率方式」の2つがあります。不動産の評価額は、この2つのうちから選ぶというのではありません。その土地の所有地によってどちらを適用するのかが決められています。路線価と倍率表は税務署で閲覧できるほか、国税庁のホームページでも見ることができます。この路線価は、毎年1月1日現在の価格です。路線価方式は、土地が市街地にあるときに適用されます。路線価というのは、文字通り道路の宅地に評価額をつけて、道路に面した土地はその価格で査定するという方式です。それなら、同じ道路に面していれば同じ価格かというと、そうではありません。宅地の形状によってさらに細かく査定のポイントが変わるのです。路線価を調べるときは「路線価図」というものを見ます。たとえば、路線価図の道路に矢印が引いてあって、その間に「3500C」というような数字とアルファベットが書いてあるとします。この数字が路線価です。1平方メートルあたりの価格をあらわしていて、単位は1000円ですから、「3500C」となっていたら1平方メートルの価格が350万円ということになります。数字のうしろのアルファベットは借地権の割合を示しています。借地は自宅の場合と違って評価が低くなります。どれだけ評価が低くなるかをアルファベットで示しているのです。また、路線価が丸や楕円で囲まれていることもあります。これは、その地区がどのような地区であるかをあらわしているのです。印のないものは住宅地ということになります。路線価から不動産の評価額を算出するときは、路線価にそのまま面積を掛ければいいかというと、そうではありません。宅地の形状を例に挙げると、間口は広いが奥行きはないとか、間口は狭いが奥行きがあるなどということが査定時に見られます。そして、評価額を修正する必要が生じるのですが、修正計算をするときは、地区区分によって決められた補正率を使用します。その他の査定ポイントをいくつかの例を挙げて説明します。まずは「奥行価格補正」です。奥行きの長い土地は、実際の取引でも道路から離れた部分は価値が下がります。そこで、奥行きの距離に応じて路線価を補正するのが奥行補正です。奥行補正は路線価に奥行価格補正率表の補正率を掛けて1平方メートルあたりの価格が減額されます。また、間口が狭くて奥に建物が建っている、うなぎの寝床のような住宅をたまに見かけることがあります。このような不動産には「間口狭小補正」が適用されます。使い勝手が悪いので、敷地の幅全体が道路に面している土地よりも評価は落ちてしまいます。こうした土地も間口距離に応じて間口狭小補正率を掛けて1平方メートルあたりの価格が減額されます。さらに「奥行長大補正」「がけ地補正」「不整形補正」という査定があります。不動産は必ずしもきちんと四角に区切られているわけではありません。奥行きが極端に長かったり、三角形や五角形など不整形な土地だったり、袋地ということもあります。奥行距離が間口距離に比べて2倍以上になるときは奥行長大補正を、がけ地があるときはがけ地補正を、不整形な土地の場合はその程度に応じて不整形補正が適用されます。こうした補正はまず、奥行価格補正をしたうえで、必要な補正が行われるのです。倍率方式とは、路線価が設定されていない土地に適用される査定方法で、市街地にある宅地以外の土地が対象になります。倍率方式で行われる査定では、基本的には土地の形状などは考慮されません。

自宅と貸宅地では査定方法が異なる

宅地の場合、他人に貸している不動産は自宅と査定が違ってきます。不動産を他人に貸していると、自分の不動産であっても自分の都合だけで自由に利用することはできません。借り主の権利が「借地借家法」によって守られているためです。この点を考慮して、自宅と比べると査定額は低くなります。ひとくちに不動産を貸すといっても、土地だけを貸すケースと、土地と建物を貸すケースがあります。他人に貸している宅地を貸宅地といい、借地権の設定があり、実際に家の敷地となっているという条件がつきます。宅地を貸していても、借地権の設定がないときは貸宅地とはいいません。借地借家法では、あらかじめ定められた契約期間が終了したら借りた不動産を返さなければならない「定期借地権」という制度が設けられています。かつての借地借家法では、借り主の権利が強く保護されていたため、不動産を貸したら返ってこないという認識が強くなり、いわゆる不動産の貸し渋りが起こってきたことから、この解決策として定期借地権が登場したのです。定期借地権は、契約によって一定期間が経過すれば、借地権は消滅するというものです。たとえば、不動産を30年の契約で貸すことにしたとすると、従来の借地権では借り主が異議を申し立てない限り自動継続となっていました。地主側から30年の契約期間が経過したので返せといっても、借り主が了承しない限り返してもらうことはできませんでした。ところが、定期借地権制度では30年経過したら、確実に戻ってくることになります。定期借地権は3つに分類されます。1つ目は、契約期間が50年以上で、期間が満了になればどのような事情があっても借地権が消滅する一般定期借地権です。次に、契約期間が30年以上で、期間満了の時点で地主が借地人から相当の対価で建物の譲渡を受けることによって借地権が消滅する建物譲渡特約付借地権があります。最後は、契約期間が10年以上20年以下で、専ら事業用の建物所有を目的として居住用に使用することを認めない事業用借地権です。このうちで、一般定期借地権の貸宅地の査定については例外があります。路線価図で借地権の割合を示すアルファベットがCからGまでの地域では、地区区分ごとに一定率の底地割合が決められていて、その割合をもとに評価されます。これに対して、建物譲渡特約付借地権と事業用借地権は、自用地としての価格から定期借地権の価格を控除して査定されるか、または残存期間によって自用地の価格に一定の割合を掛けた金額を控除した額の、いずれか低いほうの金額によって査定されます。また、貸家建付地とは、自分の所有する土地に建物を建てて貸すもので、1戸建ての貸家やアパート、マンションのことをいいます。貸宅地の土地は地主の所有でも、建物は借地人の所有物となりますが、貸家建付地は土地も建物も地主のものです。この土地には借地権のようなものはついていません。しかし、建物には借家人が住んでいるため、地主の都合によって勝手に土地を処分することはできなくなっています。そこで、貸家建付地の査定をするときは、土地の評価額に借地権割合を掛けて、さらに借地権割合を掛けたものを、通常の宅地評価額から差し引いた計算が行われます。居住用の不動産と違って、貸家建付地の査定が減額されるのは、実際に建物が賃貸されているものに限られます。自分が持つマンションに子どもを無料で住まわせていたり、空室がある場合には、その分を面積などで按分して入居者のいるところだけが、評価減の対象となります。このように不動産というのは、政府が制度の見直しをしており、そのため査定方法はどんどん複雑化しているのです。

 

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