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2017年06月22日

不動産の売却時にかかる仲介手数料とは?相場は?

不動産を売却しても、その代金が全額自分のものになるわけではありません。仲介手数料や税金、印紙代など様々な支出があり、実際に手続きを終えるまでは自分の手取り金額がわかりにくいものです。そこでこちらでは、不動産の売却時にかかる費用の内訳や仲介手数料の計算方法、一般的な相場などについてご紹介していきます。

不動産の売却にかかる費用

不動産を売却する側で発生する費用はいくつかあります。まず、確実に発生するのが買主と売買契約を締結する時、契約書に貼るための印紙代と譲渡益に対してかかる税金です。印紙代は売主と買主がそれぞれ一通ずつ所有する売買契約書に貼る必要がないため、特段の取り決めがない場合には売主、買主がそれぞれ自分の契約書用の印紙を購入します。印紙代の額面は売買代金に応じて国が定めているため、各自が勝手に変更することはできません。また、譲渡益にかかる税金も金額が決まっていますので、売買代金をもとにおおよそ必要になる額を用意しておくとよいでしょう。印紙自体は契約締結の時に使用するため、仲介業者が用意することも多いです。
税金は、譲渡所得税と消費税の二つが発生します。譲渡所得税というのは、不動産を売却したことで得られる収入に対して課せられる所得税です。所有期間が5年以下か5年超なのかで計算方法が異なり、5年を超えて所有している物件を売却した時の長期譲渡所得の方が税金が安くなっています。5年を超えて所有していた物件を売却した時の長期譲渡所得の場合、課税譲渡所得の15%に加え、住民税として5%がつきます。一方、5年以下の所有物件を売却した時の短期譲渡所得では、課税譲渡所得金額に対して30%と住民税が9%つくのです。なお、課税譲渡所得は譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除で算出します。この特別控除に関しては、自分が居住していた物件で2年以上他の控除や特例を受けておらず、他人に売却した時に適用される3,000万円を控除するケースがよく見られます。他にも特定居住用財産の買換え特例や10年超所有軽減税率の特例などがありますので、自分の場合はどれを利用するのが最も利益が高いのかをきちんと調べておきましょう。
このほかにも、条件次第で発生する費用があります。例えば、売却する物件に抵当権が設定されている場合や、登記に記載されている現住所や氏名などが現在のものと異なる場合などは、買主負担で抹消登記や名義変更登記をしなければなりません。この手続きは主に司法書士が行い、物件の売買と同時に登記を入れて、費用は売却代金から差し引くことがほとんどです。もちろん、登記に必要な印鑑証明書や戸籍謄本、住民票なども自分で取り寄せなければならないため、多少の支出は覚悟しておきましょう。
さらに、仲介業者に介入してもらって物件を売却した時には、仲介業者に対して仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は通常、売買契約が成立した時点で支払いが発生するため、買主が支払う手付金から差し引いて売主の手出しはありません。手数料は業者によってある程度自由に定められていますが、おおよその報酬基準があるため金額面での業者ごとの差はほとんどないといってもよいでしょう。
以上が一般的な不動産売買で発生する費用ですが、これ以外にもこまごまとした支出が出てきます。例えば、一つの広い土地を複数に分割して売却する時などは、売買契約を結ぶ前に土地家屋調査士に依頼して、土地の分筆登記をしなければなりません。また居住していた、あるいは使用していた物件を売却した時は、引き渡し当日までに使わない家財の処分やハウスクリーニングをしておく必要があります。新しい家に引っ越す場合には、引っ越し費用や新居で使用する家財の購入なども大きな支出となりますし、売買契約の内容によっては固定資産税や水光熱費の割合負担が発生するでしょう。仲介業者が介入して売買をする時にはこれらの項目について一つひとつ取り決めをしていきますが、引っ越しなどの自分で準備をしておく必要がある作業は早めに進めておきましょう。

仲介手数料の計算方法や業者選びのポイント

不動産を売却する時に確実に発生し、しかも費用の中でも割合が大きいのが仲介手数料です。仲介手数料は売主、買主それぞれが仲介業者に支払う売買の成功報酬であり、売買契約を成立させるために要した費用なども含まれます。ただし、成功報酬ですので買主が見つかるまでは支払う必要はありません。例外として、通常の業務では発生しない遠隔地への出張費や特別な広告などは契約成立前に請求されることがあります。通常の業務としては、インターネットや新聞折り込みなどの買主募集の広告、内覧の付き添いや物件の説明などが挙げられます。
ちなみに、不動産売買の仲介は宅地建物取引士(宅建)の資格を持っている従業員が一定数以上在籍する業者に限られますが、仲介手数料は宅地建物取引業法で上限を定められています。そのため、正確な仲介手数料の金額は業者に直接聞かなければわかりませんが、最大限期の金額までしか必要ないというラインは自分で判断できるのです。仲介手数料の上限は売買価格に応じて決められていて、200万円以下の売買であれば取引額の5%以内になります。200万円を超えて400万円以下の売買であれば取引額の4%、それ以上であれば取引額の3%以内で手数料を決めなければなりません。なお、仲介手数料を算出する時の基準となる売買価格には消費税を含みませんが、算出された報酬額には別途消費税が発生します。
通常、不動産の売買となると400万円を超えるケースがほとんどですので、税別の売買代金に3%+6万と消費税を乗じた金額が上限と考えておくとよいでしょう。一般的な相場としては、仲介業者の数が少ない地域では、この上限に近い金額を提示してくる業者がほとんどです。しかし仲介業者が多く競争が活発な都心部になると、仲介手数料を半額に下げたり、買主の仲介手数料を請求しなかったりと業者によって金額に大きな開きが見られます。これは都心部では取り引きされる不動産の価値が高く、一件あたりの報酬額が高額になりやすいことから、専任媒介契約を積極的に取りつけたいという仲介業者の意向も関係しています。報酬額が高くなるということは、無理に売主と買主に手数料を請求しなくとも利益が出やすいということにもつながり、短期間で買主を獲得するために仲介手数料無料を謳うところも増えているのです。仲介業者としては長期的に宣伝や広告をすると費用がかさむだけでなく、物件の価値が下がって売買代金が安くなってしまうため、収入が減少します。そこで短期間で売買を成立させる実績作り、物件が高額なうちに契約を成立させるための手段の一つとして、仲介手数料を無料にして買主のトータルの支出額を抑えているのです。
ただし、売主としては仲介手数料のみで業者を選ぶのは考えものです。また、物件の査定で一般的な相場よりもはるかに高い金額を提示してくる業者も、結果的に買主がなかなか見つからずに維持費がかさむ可能性があります。買主側も好条件の物件を探していますので、より多くの人の目に留まるような広告が出せる業者、紹介が上手で成約率が高い業者の方がトータルコストを安く抑えられるのです。まずは仲介を依頼する予定の業者から、売却見込み額や手続きの流れ、費用などについて説明を受けて、相談しやすく実績があるところを選ぶようにするとよいでしょう。
なお一般的な仲介手数料の支払いは売買契約時に半額、引き渡し時に残金を渡します。買主からの手付で支払うことがほとんどですが、念のため売主の手出しがないのか確認しておきましょう。

 

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